県外のみなさん、地元ガイドと歩くディープな沖縄を !
もう何度も沖縄へ来ているみなさん! 首里城、牧志公設市場、美ら海水族館といった有名観光地はすでに訪れましたよね。もっとゆったりとした気分で普段着の沖縄に触れてみたいと思っていませんか。そんなみなさんにお勧めしたいのが、南風原町観光協会の「まち歩きガイドツアー」です。生粋の地元出身ガイドとともに細い路地裏を歩きながら、地域の歴史や信仰、生活習慣を掘り起こしていきます。
南風原(はえばる)町は琉球王国時代の王府・首里に近く、独自の伝統や文化を培ってきました。町内には12の字(あざ)・集落があり、町観光協会は月1回のペースで地域の史跡や名所を訪れる「まち歩きツアー」を実施してきました。史跡や名所といっても、地元の人以外はほとんど知らない場所です。普段着の沖縄人(うちなーんちゅ)の暮らしが表れているともいえるでしょう。ご案内するのは地元出身のガイド(地域ガイド)です。県外の方にとっては耳慣れない用語や生活習慣がガイドの説明に交じるかもしれませんが、地域ガイドをサポートして解説するコーディネーターガイドも一緒に回りますので、基本的なところから気軽にお尋ねいただけます。
年度内のツアーは、開催の場所・日時は決まっています(変更になる可能性あり)が、その中から2件を選んでご紹介します。参加料はツアーによって異なりますが、1人あたり1,500~2,500円です。詳しい内容のお問い合わせやお申し込みは、南風原町の観光協会(098-851-7273 、https//www.haebaru-kankou.jp)または観光案内所(098-882-6776)へ。協会ホームページの「おすすめ情報」欄に「2024年度まち歩きツアー予定表」が掲載されています。
2024年度のツアー予定表一部抜粋
●かすりコースターづくりと工房見学のまち歩き
8月10日(土) 午前10時~午後1時
8月24日(土) 午前10時~午後1時
集合場所:琉球かすり会館(南風原町本部157、TEL:098‐889‐1634)
かすり(絣)とは、経(たて)と緯(よこ)の糸が交互に織り込まれる平織りの織物で、幾何学模様が特徴的です。インドから東南アジアを経て琉球(沖縄)に取り入れられ、「琉球かすり」と呼ばれています。琉球から日本へ伝えられ、「薩摩かすり」や「久留米かすり」に影響を与えたとして「日本のかすりの源流」ともいわれます。琉球かすりの生産が盛んな南風原町では、織物工房や糸張り作業場などかすり関連の施設が集まる地域を歩きながら、伝統の技術や作業工程を見学できます。琉球かすり会館では、好きなデザインを選んでオリジナルのコースター織づくりに挑戦します。
●戦跡ツアー(沖縄陸軍病院南風原壕群20号、津嘉山地域)
9月14日(土) 午前10時~午後1時
集合場所:はえばる観光案内所(南風原町字喜屋武241‐1、TEL:098‐882‐6776)
沖縄戦では南西諸島を防衛する第32軍の司令部壕を南風原町津嘉山に建設する計画が立てられました。司令部機能は首里に移転しましたが、ここには兵器や食料など軍事物資や軍資金を管理する後方支援部隊が配備されました。証言などによれば壕の長さは全長2キロに及んだといわれます。また、町内には約30の横穴壕が造られ、沖縄陸軍病院が設けられました。軍医、看護婦、衛生兵ら約350人に加え、看護補助要員としてひめゆり学徒220人余りが動員されました。米軍が沖縄本島に上陸した後は、負傷兵が激増し女子学徒たちは医療器具や医薬品、食料が不足する中、凄惨な治療現場で懸命に働きます。陸軍病院に撤退命令が出されると、重症患者に青酸カリが配られ「自決」が強要されました。ツアーではこのような現場を訪れます。