織物のまち南風原町

南風原花織:王朝の祝い着として発展

繊細な花柄を織り出す紋織物

かすりのように、経緯が一本ずつ交互に織り合わせれる織物を平織といいますが、2本、3本と糸をとばして変化をつけた織物を組織織もしくは紋織といいます。沖縄ではそれを「花織」といい、南風原花織は多様な色彩の花糸を使った立体感のある浮き柄が魅力的で、高い人気を得ています。
かすりに代表される一般的な平織りでは、タテ糸を通す綜絖(そうこう)と呼ばれる器具を2つ使うのが普通ですが、南風原花織では8枚ほど(多いときは10枚)もの綜絖を順番に操作して図柄を浮かび上がらせます。それだけ複雑で職人の腕が問われ、たいへんな手間と時間をかけてつくられる織物です。

南風原花織

母から娘と伝わっていった伝統技法

南風原町では、明治のころから花織の技法を母から娘へと伝承させてきました。1914(大正3)年4月には南風原村立女子補修学校が設立され、たくさんの女性が織物の技術を習得しました。先代から伝わる花織の技術とあいまって、独自の花織・浮織の技法を確立していきました。

南風原花織
南風原花織

南風原花織の特徴

南風原花織の染色の特徴は、県内で採取される琉球藍、福木、テカチ染め等の植物染料を用いることです。化学染料については、絹は酸性染料、木綿はスレン染料、反応染料、直接染料を用いています。
南風原花織には、ヤシラミ花織、クワアンクワアン織り、タッチリーなど、産地にしか存在しない名称がありその模様は花のように美しく図柄に立体感がでて華やかな印象を受けます。